ブルームバーグ 2020/6/4/17:00

 



日本株は4日続伸、米経済指標の改善やECB期待-輸出や銀行高い

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"4日の東京株式相場は4日続伸。米経済指標の改善や新型コロナウイルスの感染状況への楽観で、投資家はリスクオン姿勢を強めた。ハイテク株など輸出のほか相対的に割安感のある化学などの素材や銀行が買われ、医薬品などが売られた。高値警戒の売りに押されて指数が下落に転じる場面もあった。

〇TOPIXは前日比4.74ポイント(0.3%)高の1603.82
日経平均株価は81円98銭(0.4%)高の2万2695円74銭

〈きょうのポイント〉

〇米ADP民間雇用者数、5月は276万人減-予想は900万人減、4月は1960万人減
〇米ISM非製造業景況指数、5月は45.4-予想は44.4、4月は41.8
〇FANG指数は終値ベースで3932.701と設定以来の最高値
欧州中央銀行(ECB)はきょう政策金利発表、ラガルド総裁記者会見も
「〇パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)」買い入れ枠が5000億ユーロ拡大されるとのエコノミスト予想も
   野村証券伊藤高志エクイティ・マーケット・ストラテジストは、「米ISM非製造業景況指数が中国など国外の影響を受ける製造業の景況感指数と同程度の改善となり、経済活動が正常化していることを確認できたことは相場への安心感につながる」とみていた。

  しんきんアセットマネジメントの藤原直樹運用部長は、ここにきてこれまで買われていなかった業種が上がってきていると指摘。「この流れが続けば2万3000円の節目を抜けてくる可能性もある」と述べた。

  アイザワ証券投資顧問部の三井郁男ファンドマネジャーは、短期的な上昇幅が大きくテクニカル的な過熱感もあったとことで、「過剰流動性相場の中で調整を待っていた投資家もいる」と話した。一時下げる場面もあったが、下値で押し目買いが入った結果、底堅い推移となったという。

東証33業種では電機、情報・通信、食料品、銀行が上昇寄与度上位
〇医薬品、陸運、不動産は下落
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ギリアドのレムデシビル売上高8400億円も-アナリストが投資判断上げ

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"米ギリアド・サイエンシズの新型コロナウイルス感染症(COVID19)治療薬レムデシビルの潜在的な売上高について、以前は慎重だったSVBリーリンクのアナリストが見方を変えた。

  ギリアドが新型コロナ治療薬で利益を得る可能性については、強気派のアナリストでさえ厳しい見方を取っていた。消費者側は医薬品やワクチンメーカーが新型コロナのパンデミック(世界的大流行)で利益を確保することに異を唱えているが、SVBリーリンクのアナリスト、ジェフリー・ポージェス氏はレムデシビルの2022年の売上高が77億ドル(約8400億円)に達する可能性があると現時点で予想する。

  同氏は約2カ月前、レムデシビルは利益目的で販売される可能性が低く、投資家は「寛大な評価」を与えていると指摘していた。同薬は5月に米当局から緊急使用許可(EUA)を取得している。

  ポージェス氏はギリアドの投資判断を「マーケットパフォーム」から「アウトパフォーム」、目標株価を85ドルから94ドルにそれぞれ引き上げた。これは現在のアナリスト目標株価レンジ上限にあと3ドルに迫る水準だ。新たな目標株価には、米アーカス・バイオサイエンシズとの提携で創薬するがん治療薬の売上高10億ドル超も考慮されている。

  ポージェス氏は顧客向けリポートで「同社がレムデシビルの商用販売に向けた価格を公表し次第、94ドルを超えるバリュエーションは現実的だろう」と指摘。同薬は米国の治療1回コースで約5000ドル、欧州で4000ドルになるように商用販売価格が設定されると予想した。レムデシビル150万回投与分を世界で無償提供すると表明しているギリアドは恐らく既にその供給を進めており、近く価格を発表する必要が出てくると同氏は分析している。

  ギリアドの株価は3日、一時1.8%上昇した。
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