ブルームバーグ 2020/6/3/17:00
日本株は3日続伸、米景気刺激策期待と円安-自動車など輸出高い 6/3 "3日の東京株式相場は3日続伸。米国が新たな景気刺激策が検討していると伝わり、投資家の期待が高まった。ドル・円相場の円安、米国の自動車販売改善も相場を押し上げ、自動車や電機、機械などの輸出関連を中心に買われた。取引開始後に大幅に上昇した指数は、徐々に上げ幅を縮小して終了した。 〇TOPIXは前日比11.40ポイント(0.7%)高の1599.08 〇日経平均株価は288円15銭(1.3%)高の2万2613円76 〈きょうのポイント〉 〇トランプ米大統領、週内にも顧問らと次の景気刺激パッケージの選択肢を協議-報道 〇5月の米自動車販売、前月の数十年ぶり低水準から回復 〇トヨタは前年同月比26%減-4月の54%減から改善 〇北海ブレント原油、40ドル台に上昇-OPECプラスの減産延長に期待 午前の取引で日経平均は2万2800円を一時上回ったが、市場では急ピッチな相場回復に驚きの声が上がった。東洋証券の大塚竜太ストラテジストは「それほどの上昇をけん引する材料はなく、海外勢の買い戻しがあったとしても苦しい水準。一気に下落することを警戒したことが上げ幅を縮める要因となった可能性もある」とみていた。 三井住友DSアセットマネジメントの市川雅浩シニアストラテジストは、前日の米国株式市場で主要3指数がそろって上昇しており、「株式市場も為替市場も明確にリスクオンが確認できた流れを受け継いでいる」と話した。 市川氏は、米国での抗議デモや米中対立による経済への悪影響を意識している面もある一方で、世界的に主要国で大型の景気対策が打たれ、中央銀行も流動性供給を十分に行ってきているため日本株は上昇しやすい環境になっていると説明。「いわゆる流動性相場となっている」と述べた。 〇東証33業種では輸送用機器、電機、機械、卸売り、化学が上昇寄与度上位 〇情報・通信、食料、電気・ガス、証券・商品先物は下落 " トランプ氏に厳しい非難、ホワイトハウス周辺でのデモ隊強制排除巡り 6/3 "ランプ米大統領は1日にホワイトハウスの周辺での平和的抗議活動を治安当局が強制排除したことを巡り、宗教指導者や民主党議員らから厳しい非難を浴びた。共和党の一部からも不支持の声が上がった。 今年の大統領選挙で再選を目指すトランプ氏の対抗馬となることが確実な民主党のバイデン前副大統領はスピーチで、米国には「リーダーシップが強く求められている」と述べた。 共和党のティム・スコット、ベン・サス両上院議員は、ホワイトハウスのすぐ北側にあるラファイエット広場に1日に集結したデモ隊を排除するため、催涙ガスやゴム弾などが使用されたことを支持しないと表明した デモ参加者が強制排除された後、トランプ大統領はホワイトハウスからラファイエット広場に隣接する教会を徒歩で訪れ、カメラの前で聖書を掲げた。 サス議員は声明で「暴動を起こしたり他者の財産を破壊したり、警察に投石したりする権利は誰にもない。しかし、抗議するという基本的で、憲法に保障された権利はある。私は聖書を政治的小道具として扱うような写真撮影のために平和的な抗議を排除することには反対だ」とする考えを示した。 またバイデン氏は大統領について、「聖書を見せびらかす代わりにそれを開いていれば、われわれは自分自身を愛するのと同様、互いに愛するよう求められていることを学べたはずだ」と語った。 これとは別にトランプ大統領は2日、「国際的な宗教の自由の推進」に向けた大統領令署名に先立ち、その周知を図るとの名目で首都ワシントン北東部の聖ヨハネ・パウロ2世ナショナル・シュラインを訪れた。 だが、カトリックのワシントン大司教区のウィルトン・グレゴリー大司教は、同施設が大統領の訪問を受け入れたことについて「非難に値する」と指摘。「自分と意見を異にする場合であっても、全ての人々の権利を守るよう求めているわれわれの宗教的原則に反する形で、カトリック施設がこれほどひどく悪用され、操られるのは当惑させられるものであり、非難されるべきだ」との見解を示した。 ニューヨーク原油先物相場は大幅反発。石油輸出国機構(OPEC)と非加盟主要産油国で構成される「OPECプラス」は協調減産の延長で合意に向かっていることが、関係者によって明らかになった。ニューヨーク商業取引所(NYMEX)のウェスト・テキサス・インターミディエート(WTI)先物7月限は、前日比1.37ドル(3.9%)高い1バレル=36.81ドルで終了。ロシアとサウジアラビアの対立でOPECプラス会合が決裂した3月6日以来の高値。ロンドンICEの北海ブレント8月限は1.25ドル上昇の39.57ドル。 ニューヨーク金先物相場は続落。景気対策と世界経済に関する明るい材料を受けて、リスク資産が選好された。トランプ大統領が軍投入も辞さないと述べたことを受け、米社会不安が一段と悪化するとの懸念とリスク志向がせめぎ合い、早い時間の取引では金相場はもみあう展開だった。ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物8月限は前日比0.9%安の1オンス=1734.00ドルで終了。" |